413人が本棚に入れています
本棚に追加
冷水をかけられるとはあんな時に使う表現なんだろう。
わたしが大事に大事に胸にしまっていた思い出は、宇城くんにとって最悪なものだった?
あの時、葛西さんと呼んでいた女の人は、お手伝いさんじゃなくお目付け役の、父親の秘書だったんだ。
あの話を聞いてから、明美ちゃんと徐々に距離をとるようになってしまった。
廊下で宇城くんにちょっかいを出されるたびに真っ赤になって固まるわたしの気持ちを、明美ちゃんはうすうす察していたに違いない。
なのに、なんのためらいもなくわたしにとっては落胆の極致と言ってもいい情報を口にする。
明美ちゃんは、わたしを本当に友だちだと思っているんだろうか。
その疑問に耐えきれなくなった。
最初のコメントを投稿しよう!