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テスト休みも終わった。赤点補講で連日登校だった宇城くん以外は、夏の旅行のことを考えながら楽しくテスト休みを過ごしたことだろう。
そして無事に終了式も終わった。
「うっきゃーっ! 夏休みーっ! ラグピュアリーでマダームなドレス買うぞー」
凛子が拳にした片手と、曲げた片脚を同時に空に突き上げる。
奏と凛子と三人で大きなショッピングモールにやってきている。
「ねえねえ、波菜、これとかめっちゃかわいいけど、男子的にやばいかな?」
奏は自分のことで精一杯で、凛子のラグピュアリーに突っ込む余裕もない。
「うーん……。奏にはとっても似合うけど、そこまでダメージの入ってるデニムは男子ウケはよくないような気がする」
奏の手にしているデニムのパンツは、上から下まで肌が丸見えレベルのダメージが入っている。
もはや穴。
これをめっちゃかわいい、と形容する感性がわからない。
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