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「ラグピュアリーラグピュアリー、マダーム!」
海外ブランドのショップ袋から紫色のバスローブを出して、目を閉じ頬にスリスリしながら呪文を唱える凛子。
腰までくねくねさせている。
よっぽどうっとりして別世界に飛んでいるんだろう。
凛子はさっき、奏とわたしの忠告も振りきり、高校生にはとてもそぐわない店でなんと紫の花柄のバスローブを買った。
高校生に人気のナイトウエアのブランドだってちゃんとあるのに、そういうのじゃなくて、正真正銘のマダームブランドだ。
間の悪いことに出店のセールをやっていた。
わたしたち三人(特に凛子)はテンションが大幅におかしい。
無駄に豪華な別荘の写真を目にしちゃったから、外国映画でしか観たことのない海外セレブの休日を脳内で勝手に繰り広げている。
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