◇◇◇◇◇2・シンデレラのドレスは72時間◇◇◇◇◇

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でもわたしも奏も、小学校の卒業式が洋くんに会ったのが最後だ。 引っ越しの時、わたしは会いに行くこともできなかったけど、奏はもしかしたら行ったのかもしれないな。 洋くんは、あんなに背が高くはなかった。 見間違いだ、きっと。 第一、洋くんが転校して行ったのはこの地域じゃなかった。 「うわあ! パンフレットで見たとおり!」  奏が感嘆の声をあげる。  観光用のビーチから離れた場所に、その白亜の豪邸はひっそりと建っていた。 個人の別荘というよりは高級プチリゾートホテルのよう。 建物の前には白い砂浜が見渡す限り続いている。 防風林になっている松林が道路との境にあるせいで、日本語の看板がどこにも見えない。 建物が建物だけに、外国だと言われれば納得もできそう。 この豪邸とビーチを二泊もわたしたちが独占っ? 「う~~~ん!」
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