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横で凛子が直立不動の、その形のまま真後ろに倒れた。
「やっだー、この子ったら豪邸に興奮して鼻血が」
「それは出てない出てない。奏」
倒れた凛子を側にいた多田山くんとわたしで支えながら、奏を見上げる。
さすがの凛子でもそれはない。
奏だって気分が上がっちゃってふざけすぎなんだよ、さっきから!
凛子はすぐに問題なく息を吹き返し、六人で巨大な玄関扉の中に入る。
空間を贅沢に使った吹き抜けに凝ったシャンデリアが輝いている。
大理石の玄関の床に自分の顔が映りそう。
ふだんから管理をしてくれている人がいるんだろう。
無人の別荘なのに、掃除しなくても今すぐ使える状態だ。
「一階には居間とダイニングしかない。二階には吹き抜け囲んで客間は六つあるけどどうすっか。男女分かれて二つ使えばいいよな。ツインベッドだけど大きいソファはソファベッドにもなるんだよ」
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