◇◇◇◇◇2・シンデレラのドレスは72時間◇◇◇◇◇

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 横で凛子が直立不動の、その形のまま真後ろに倒れた。 「やっだー、この子ったら豪邸に興奮して鼻血が」 「それは出てない出てない。奏」  倒れた凛子を側にいた多田山くんとわたしで支えながら、奏を見上げる。  さすがの凛子でもそれはない。 奏だって気分が上がっちゃってふざけすぎなんだよ、さっきから!  凛子はすぐに問題なく息を吹き返し、六人で巨大な玄関扉の中に入る。 空間を贅沢に使った吹き抜けに凝ったシャンデリアが輝いている。 大理石の玄関の床に自分の顔が映りそう。  ふだんから管理をしてくれている人がいるんだろう。 無人の別荘なのに、掃除しなくても今すぐ使える状態だ。 「一階には居間とダイニングしかない。二階には吹き抜け囲んで客間は六つあるけどどうすっか。男女分かれて二つ使えばいいよな。ツインベッドだけど大きいソファはソファベッドにもなるんだよ」
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