◇◇◇◇◇2・シンデレラのドレスは72時間◇◇◇◇◇

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 宇城くんと多田山くんは隣の部屋を開けると、自分たちの荷物を放り込み、ついでに廊下に置いたままの森本くんのそれも入れてあげてから、凛子のいる部屋に入った。  奏もわたしもそれに続いた。 「一部屋がめちゃくちゃ広いよな。六人入って、ここでゲームとかも余裕でできるぜ」 「そうそう、去年サッカー部の男ばっかで来た時は、三部屋の予定だったけど結局ひとつに集まったまま全員で雑魚寝だったしな」  懐かしそうに多田山くんと森本くんが話している。そうか、この二人にとっては知った場所なのか。 「部屋で遊ぶのもいいけどさ、せっかくだから浜で花火とか面白そう。できる? 宇城」  奏が凛子の隣に行って、真下のビーチを見下ろしながら宇城くんに話しかけた。 「俺らしかいないから始末さえきっちりしとけば問題ないな」 「きゃっほーっ! やったー」
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