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奏が隣の凛子と両手でハイタッチをし合っている。
花火はマダームからかなり逸れそうだけど、そこはいいのか、凛子。
初めてこの豪邸に入った女子三人の最初の興奮がひと段落ついたところで、宇城くんがドサッとベッドに腰かけ、口を開いた。
「だけどな。今日はいいとして、問題は明日からの飯なんだよ」
「ふむ」
奏も神妙な表情で向かいのベッドに腰かける。
今日の夕ご飯までは、おのおの電車に乗りこむ前に買ってある。
昨日までみんな部活があったから、朝早く出るのがかったるいと言って出発は遅かった。
あと数時間すればもう陽が落ちてしまう。
「親父が接待に使ったりする時は、プロを雇ってここで料理作ってもらったりすんのな?だから俺らじゃ使いこなせない本格的なキッチンがあるぜ? 乾物や缶詰なら少しはおいてあるだろうけど。ああ、あと米は好きなだけ使えって言われたわ」
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