◇◇◇◇◇2・シンデレラのドレスは72時間◇◇◇◇◇

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「買い出し班だな。食料のおいてある店まで車で十五分とかだっけ?」 「原付が二台あっただろ? 朔哉も駿平も免許持ってるもんな」 「ああ、あれ壊れて処分したらしい」 「嘘! 二台とも?」 「そう。二台とも」 「アシがねえじゃん」 「いや結人、そこは平気。自転車あるから。一台」 「じてんしゃああああ~?」  そこで宇城くん以外、わたし含めた五人の声がばっちり重なった。  自転車……。 しかも一台。 「か、かっこいい最新の電動アシスト? それともBMX的な……」  凛子がおそるおそる聞いた。 「いや普通のママチヤリ」  凛子が微妙に落ちるのがわかる。 この豪邸にママチャリがあることを信じたくないのだ。 荷物もなにも載らないBMXの方がまだ許せるんだろう。
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