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「ママチャリであの距離を、六人ぶんの食料調達は厳しいなー。どうするよ?」
「いや。ここに置いてあるのは一台だけど、松林から公道に出るとこの物置に古いのが一台ある。たぶん」
森本くんの言葉にまた宇城くんが答える。
「すげえな。このへん全部私有地かよ」
「ってことは林道抜けるまでは二人乗りか二人で歩くかだな。でもマジで二台あってよかったよな。で? 誰が行く?」
多田山くんと森本くんに続いて、宇城くんが即答した。
「多少土地勘のある俺が行くしかないだろ」
「あと一人は?」
「島本、行ってやったら」
多田山くんはわたしの肩を、どんっと宇城くんの方向に押し出した。
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