第1章 残念王子に奇跡の再会

8/40
前へ
/259ページ
次へ
 自分の首筋から頬にかけて、ものすごい勢いで血液が駆け上がるのがわかる。 わたし、また真っ赤になっている。 他の人じゃここまでできないほど赤面しているはず。 これはもう一種の特技だよ。 「やっぱ。波菜、むちゃくちゃかわいい! もうおもちゃみたい! そうやって俺が言ったことで、スイッチ推したみたいに一瞬で真っ赤になるのが、もうかわいくってかわいくって!」 「違うよー」  わたしは椅子に座ったまま額に両手をあてて頭を抱え込んだ。  やっぱりまた遊ばれてるよー。 この赤くなるのだけは自分でもどうにもならないんだってば。 「うるさいよっ! 宇城! このドS変態っ。波菜の赤面症についてあれこれからかうやつはうちが許さない、って何度も注意してるじゃんっ」
/259ページ

最初のコメントを投稿しよう!

413人が本棚に入れています
本棚に追加