どっちも痛い

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元もと壊れたスマートフォンをわざとぶつかって拾わせ、因縁をつけると言うらしい。 「お店に届けておこっと」 適当な店の会計カウンターを探そうと歩き始めたとき。 「あんたそれ、俺のっ」 「えっ…?」 声に振り向くと、この前のイケメンが息を切らせて立っていた。 上の階から探しながら降りてきたようだ。確か、マサト、とかいわれてたかな。 特技と言えるのかどうか、お客様の顔と声は大体覚えていた。 「…やっぱりお前か」 「??やっぱり、とは…」 きょとんとしていると、 「ちょっと付き合え」 腕を掴まれた。 「はっ?!えっ?!いや、ごめんなさい弁償とか無理ですからっ」
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