1人が本棚に入れています
本棚に追加
とにかくあの絵をどうにかしよう。霊能者のところでも寺でも持っていって始末してもらおう。
ついでに呪いの解き方が判ればいいのだが。
だが、いくら探しても絵は見つからなかった。
どうもどこかに忘れてきたらしい。
その時だ。スマホが鳴った。
「はい」
「ああ、吉川さん? あの、変な話だけどさ。今日、取材に行ってもらった村上さんなんだけど、よく調べたら二週間前に自殺してるらしい。すまなかったね。誰もいなかったでしょ」
「え? だって今日……」
「あれ? どうしたの? 吉川さ」
電話を切り、震えの止まらない身体を抱え込む。じゃあ、私が会ったのは誰だったんだ? もう何が何だかわからない。
とにかく落ち着こうと震える手でパソコンを開き、霊能者の知人に連絡するためにツイッターを開いた。
その瞬間、目に飛び込んできたのは
あの絵(何も描かれていなかった)と、その裏の鮮明な写真だった。
『拡散希望 九取村のバスの中でだと思いますが、私の紙袋に紛れ込んでいました。開けてみたら裏に名前が入っていましたので、持ち主の方がご覧になってましたら至急ご連絡ください』
RT数は数千。そしてそれはまだまだ伸び続けている。
<END>
最初のコメントを投稿しよう!