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後ずさるとその距離まで詰め寄られる。
背に壁が当たり、どうしようか考える。
挨拶しただけだから、謝罪以外に思いつかない。
このままだとサンドバッグだろう。
犬塚くんに連絡しようか、でも…迷惑かもしれない。
結局俺は臆病で根暗なのは変わりそうもない。
「あまり目立つところに痣作らないでよ、最近うるさいから」
「分かってる」
によによと嫌な笑みを浮かべてやってくる。
痣って今までの人生の中つけた事ないから、痛いのかな?内出血なんだっけと考えながら横歩きで移動して逃げる。
ラグビー部の生徒達が一歩踏み込んだのを見てから走り出す。
とりあえず校舎に戻れば先生もいるし、暴力沙汰は避けてくれるかもしれない。
走りながら殴られそうになるのを必死に避けて校舎を目指す。
避けるのは得意だが反撃は出来ないがそれでいい…下手に反撃すると返り討ちに合うから。
息が途切れ途切れになりつつ、滑り込むように校舎に戻ってきた。
靴を履き替えようとしていた生徒が倒れている俺に驚くがささっと帰っていく。
皆関わりたくないから当然だ、もし俺が第三者なら同じ事をしただろう。
「はぁはぁ、やっと…追いついた」
普段ラグビーで鍛えていても追いかけっこに疲れ切った声がする。
少し休憩したから急いで靴を脱ぎ校舎に入った。
履き替える時間がなくて、靴下のまま隠れられそうな場所を探す。
部活がなく、普段滅多に人が入らなそうな場所がいい。
後ろから足音が聞こえる、早くしないと見つかる。
そこでコンピューター室が見えた。
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