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ー郁人視点ー
東金先輩とSNSを交換してから俺は可笑しい。
今までは電話以外あまり触らなかったスマホをずっとガン見してしまう。
退屈な授業を受けている時でも視線はスマホに向いていて着信を知らせるバイブが鳴ると相手を確認せずすぐに取り、相手が涼志だと分かると一秒で切る。
ずっとその繰り返しだ。
しかも昨日は東金先輩といやらしい事をしてる夢を見て夢精してしまった。
精通したばっかのガキじゃないんだからと地味に落ち込んだ。
…俺、ホモなのかな。
でも他の男とそういう事を想像すると気持ち悪くなるし、きっと誘われたらボコボコに殴ると思う。
それに、今朝東金先輩からおはようってだけの電話で舞い上がってしまっていたからきっと俺は東金先輩だけに恋をしたんだと思う。
会いたいけど、俺から電話したらウザいかな?先輩今何してるんだろう。
あぁぁぁ??心配だぁ!!
「聞いてんのか!郁人!」
「…いきなり喋んな」
いつものように放課後生徒会に集まっていて、副会長と書記に囲まれながらソファーからこちらを見て叫んだ。
別の事を考えていたからびっくりした。
何の話かさっぱり分からず険しい顔をすると涼志は明るい声で言った。
「だから!今度郁人の家に行きたい!いいよな!?」
さっぱり話の内容が分からないし、本人に聞く前に行く事前提なのが引っかかる。
それに突き刺すような視線がウザい。
まだ了承してねぇし、当然…
「ダメに決まってるだろ」
「なんでだよ!俺達親友だろ!!」
親友の意味を理解してから使えと言いたい。
涼志を無視してそっぽを向くと視線の先に紺野がいた。
紺野は俺を仇のように睨んでいた。
…涼志が変な事を言うから、とばっちりだ。
もう東金先輩帰ったのかな?電話しちゃダメかな?
スマホを眺めてると会いたい気持ちが爆発しそうでまた涼志からの電話を勘違いして出ないようにスマホは見ないようにしていた…たまに触れて着信を確認したりするが…
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