本編

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「…犬塚、やっぱり」 「ちげーって、好きな奴いるって言ってんだろ」 「………本当かよ」 疑いの眼差しで紺野は見ていた。 何度も何度も言っても理解されないからイライラする。 誰があんなうるさい奴を好きになるんだよ。 「俺は東金先輩が好きだって言ってんだよ!!」 ムキになりつい叫んでしまった。 周りは皆びっくりして固まっていた。 気まずい空気に耐えられなくなり生徒会室を出た。 後ろから紺野が「東金先輩って誰…」という声がしたが気にしてる余裕はなかった。 結果的に涼志に解放されたからそのまま帰ってもいいか。 家に呼ぶなら東金先輩だろ。 あ、でも俺の部屋汚ねぇし…家に母親と小学生の妹がいるからなんとなく恥ずかしい。 東金先輩が来るならはりきって片すのに… べ、別に変な事なんて考えてねぇし!………少しだけ… 廊下を歩いていると、バタバタと走る足音が響いた。 うるせぇな… ガタイがいい男達が走っていて、避ける気がない俺と肩がぶつかった。 「…ってーな」 「あ?邪魔なんだよ」 目を見開き男の顔面に重い拳をぶつけた。 男は吹き飛んだ。 歯が折れただろうけど知らねぇ。
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