285人が本棚に入れています
本棚に追加
「…犬塚、やっぱり」
「ちげーって、好きな奴いるって言ってんだろ」
「………本当かよ」
疑いの眼差しで紺野は見ていた。
何度も何度も言っても理解されないからイライラする。
誰があんなうるさい奴を好きになるんだよ。
「俺は東金先輩が好きだって言ってんだよ!!」
ムキになりつい叫んでしまった。
周りは皆びっくりして固まっていた。
気まずい空気に耐えられなくなり生徒会室を出た。
後ろから紺野が「東金先輩って誰…」という声がしたが気にしてる余裕はなかった。
結果的に涼志に解放されたからそのまま帰ってもいいか。
家に呼ぶなら東金先輩だろ。
あ、でも俺の部屋汚ねぇし…家に母親と小学生の妹がいるからなんとなく恥ずかしい。
東金先輩が来るならはりきって片すのに…
べ、別に変な事なんて考えてねぇし!………少しだけ…
廊下を歩いていると、バタバタと走る足音が響いた。
うるせぇな…
ガタイがいい男達が走っていて、避ける気がない俺と肩がぶつかった。
「…ってーな」
「あ?邪魔なんだよ」
目を見開き男の顔面に重い拳をぶつけた。
男は吹き飛んだ。
歯が折れただろうけど知らねぇ。
最初のコメントを投稿しよう!