285人が本棚に入れています
本棚に追加
残りの奴らを睨むと顔を青くして逃げていく。
「チッ、何だよどいつもこいつも…」
吐き捨てるように呟き歩き出す。
今日はムカつく事が続いて腹が立つ。
そんな時は、ズボンのポケットに入れてあるスマホを取り出す。
スマホの画面には隠し撮りした東金先輩の後ろ姿の写真があった。
本当は正面が良かったが、なかなか撮るのが難しくて諦めた。
アドレスから東金先輩の名前を見つけた。
耳に当てて胸を高鳴らせる。
…東金先輩、早く声が聞きたい。
着信音がなくなり繋がった事を知らせる。
緊張しつつ気付かれないように明るく言った。
「東金先輩?いきなり電話してすみません、今家ですか?」
電話の向こうは無言で不安になる。
…やっぱり嫌だっただろうか。
しばらく待つと電話からすすり泣く声がした。
血の気が引き、スマホを持つ手に自然と力が入る。
「…今、何処ですか?」
『コンピュータ…室』
なんでそんなところにいるとか、考える余裕はなく急いで東金先輩がいる場所に向かう。
最初のコメントを投稿しよう!