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「クリスマスの前にな、レキの誕生日だろ。クリスマスには、また別のやるから」
と言って、微笑むケイは昔の少女の笑顔と重なった。
やっぱりな、お前はお前だよ。俺の為に誕生日プレゼントとか毎回くれるのは、ケイだけだ。他の友達もくれたりはするが、小さい頃からずっと側にいて毎回絶対くれたのは、コイツ一人だけだからな。
「こういうのは、もっと早く渡せ」
と言う俺の口元は僅かに緩んでいる。
「悪かったな。でも、渡せて良かった。これ、絶対渡したいって思ってたから」
「どう言う事だ?」
いつの間にか後片付けを終えてゴミ袋の口を閉じながら首を傾げる俺に、ケイはまたニカッと笑って見せるんだ。
「ウチら、親友だろ!」
「ケイ……お前」
「と言う訳で、また部屋が汚くなったらよろしくな♪」
こら。
(終わり)
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