君が頑張りやさんのそのワケは。

亜以子vs煌太

「可哀想…か。煌太はそれが嫌だったんだな。

煌太は俺もママも一緒にいるときが楽しいし嬉しいもんな。そいつ、全然分かってないな。」

「…うーーー！」

「パパもママもいる。煌太は嘘つきじゃない。そいつが何を言ってきても、俺や亜以子はお前のことを信じるし、お前の味方だってことを忘れるな。」

「うぇ……あいっ！」

「大丈夫。俺は知ってる。…ヨシヨシ、いい子だ。」

絶対に否定はしない。
すべてを受け入れること、その上で調整があれば少しずつ教えていく。

俺にとっても手探り状態の子育てだ。上手いとは言えないが、俺なりに考えて、自分の親を思い出しながら与えていく愛情で共に成長していけばいいと思っている。

「な、煌太。何でママは内緒なんだ。」

「…ママは心配性。」

「プッ！…お前、そんな言葉知ってるのか。」

「うん。…ママは笑ってるときが一番可愛いです。」

「そうだな。でも、ママだって煌太の全部を知っておきたいと思ってるぞ？

楽しいこと嬉しいことだけじゃなくて、悲しいこと辛いことも全部な。」

「そうなの？」

「ああ。だって、大人になっても、そういう相手は必要なんだ。子供のうちは親に言えよ。そのうちその役目は友達になっていくんだから。」

「そうなの？なんで？」

「なんで…なんでだろうな。話しやすい相手が変わるんだろうな。でも、親はずっと親だ。いつでも子供のことを待っている。」

「ふしぎー。よくわかんない。」

「だな。俺もそうだった。もっと大きくなったら自然に分かるようになる。」

「そっか。今は分かんなくていいってこと？」

「そうだ。」

「そっか。」