亜以子vs煌太

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素直な煌太は、大抵即実行だ。 風呂から亜以子が上がったのを知ると、テテテ…と走って亜以子に駆け寄った。 「ママ!あのね?」 「うん。どったの?」 「あのね?僕、イジメなの!エヘヘ!」 …なんか抜けている報告だが。 笑いながら言ってるということは、俺との会話で満足してホッとした、ってことだろう。 亜以子がチラッと俺を見る。 俺は笑って頷いた。 柔らかい笑みを浮かべた亜以子は、煌太の身長に合わせて屈む。 そして頭を撫でて。 「そっか。辛かったね。」 「さっき、泣いちゃったの。でもパパは大丈夫って言ったから大丈夫なの!」 「そっか。」 「エヘヘ!…あ、ママ?ママは僕の味方ってホント?」 「うん。本当。」 「僕のこと信じてるってホント?」 「うん。」 「そっか!…ママ、好きー。」 「ママも煌太好きー。」 "そっか"って、亜以子の口癖か。 よく聞くけど、本当に似た者親子だ。 きっと亜以子も戸惑いながらの子育て。 けど、逃げられない道を選んだのも亜以子自身。 俺はどんなことがあってもフォローする。助ける。力になる。守って見せる。 そんな誓いを胸に刻んだ時だった。
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