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俺はもう一度煌太を抱き締めた。
頭も背中もたくさん撫でて、一生懸命悩んで頑張ってきたことを労って。
「…ったく。バカだな煌太。
おじさんだって煌太の傍にいるさ。」
「…ヒック……ほんとー?ほんとー?」
「ああ。俺はおじさんから聞いてるぞ?」
「なに?」
「煌太はとってもいい子だって。
スッゴク大好きだってさ。」
「…ふぇぇええええ…!」
「俺も知ってる。亜以子だって同じ。
…だからもういいよ。煌太。」
「うえぇぇええええぇぇん!」
「もういい。…よし、亜以子を呼ぼうな。」
俺は携帯を手にすると、亜以子にかけた。
2コールで取られた電話から、愛しい声が聞こえた。
『もしもし?副社長?』
「ああ。歓談中にすまないな。すぐに戻ってくれないか。」
『何かありましたか?』
「重大事件だ。」
『えっ!何ですか?一体何が!?』
「ハハッ!」
『……ふくしゃちょーー?』
「君が大好きで仕方ない人がいるんだ。」
『…………は?』
「ずっと会いたくて会いたくて。でも会えなくて。泣きまくるほど、夢に出てくるほど会いたくて仕方なかった子が………
あれ?もしもし?…切れた。」
「…亜以ちゃ、…ヒック…来てくれるって?」
「あっち見てろ。すぐに来るさ。」
「あ゛ーー!まーぐん!はだみじゅふいでー!」
「はいはい。」
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