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「雅継さん。」
「……なんだ。」
「ありがとう。」
「…別に大したこと」
「カッコよかったよ。土下座。」
「うるさい。今すぐ頭から消去しろ。」
「無理。」
「しなさい。」
「やだ。だって煌太と私のため、でしょ?」
「……堂本。すでに13時を過ぎている。さっさと仕事に戻れ。」
「逃げた。」
「もういいから。分かったから。」
「もう、大好き。」
「……………」
「照れた。」
「仕事に戻れ!!」
「はぁい。」
…俺までキュンってなったぞ。
亜以子の「好き」も破壊力ある。
ちくしょ。負けた気分だ。
でも、亜以子の笑顔も煌太の笑顔も取り戻せた。
「…ふっ。…気が休まらねぇ。」
どうやら俺の決意は成功したようで、自分でも心がスッキリしているのを感じた。
強いて言えば、達成感というやつだろう。
今日、帰宅した後のことを考えるだけで、なぜかドキドキワクワクしている自分が可笑しい。
あの小さな存在が、大きな存在だという矛盾を再確認していた。
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