はじめ

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はじめ

私は昔から音が聞こえた。 私とは違う体つき、大きさも小さかったり大きかったりする『幻獣』 彼らは案外おしゃべりで賑やかで個性的だ。 常に私の周りにいるのは幻獣たち。 そのなかでもピクシーは歌うように喋り私と同じような体をしている可憐な10cmくらいの幻獣。 「あら、シナどうして泣いているのかしら?」 「また虐められたの?」 『人間達に』 シナは私の名前。 人間というのは私みたいに二足歩行で地面を歩く大きい『生物』だ。私は人間と同じ種族のはずなのに人間の声だけが聞こえない。 口をぱくぱくしているだけにしか見えないのだ。 そう、私は水球のタナハという国にあるハレという都市のストリートチルドレンだ。 ストリートチルドレンにもチームがあるのだがどのチームにも属していない。いや属せていないというのが正しいだろう。 今までに何度かチームに入っていたこともあるのだが空中をずっと見ていて気持ちが悪いや、声が聞こえないのがいてもチームにとってマイナスと言われ追い出されてしまった。 それからは幻獣達と共にギリギリの生活を行っている。 ごみごみとしたスラムに潜みなんとか食料を得、命を繋いできた。 そんな日常が続くと思っていた。     
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