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【1】
駅前の書店。適当に音楽雑誌を手に取りパラパラと捲っていく。
すると後ろから楽しそうな声が聞こえてきた。
「猫超かわいい」
「野良猫フォト好きだな。自由に生きて楽しそう!」
「僕たち自由の象徴by野良猫、みたいな?あはは」
雑誌を棚に戻すとなにも買わず書店を出た。
ポケットに入れてあるウォークマンを取り出してイヤフォンを耳に突っ込む。
さっきの会話本気?『野良猫が自由の象徴』本物の野良猫なら自由でいいかもしれない。
でも私みたいなエセ野良猫は厄介者扱いを受ける時がある。
親こそなにも言わないけど学校の教師が、なあ。
『そろそろ自分と向き合うべきだ』
『いつまでも止まらずに一歩踏み出せ』等々耳タコな言葉。
これらは私に言っているんじゃない。自分たちがこれ以上無能扱いされないよう言っている。
要するにプライドかかってるんだよね。たかが15歳の小娘を思うようにできないなんて、今まで築き上げたプライドにヒビ入るもん。
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