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「人は皆、嫌な思いや通らない意見を持っていながら生きているんです。 壁にあたり己を鍛え、成長をしていきます。 ではカウンセリングルーム登校はどうか、壁に当たるのを恐れている。そうは思いませんか?」 ざわつく体育館。小沼は更につづけた。 「ここは人との関りを強く学ぶ中学です。 いつまでも小さな子供のままでは自分のためになりません。 そう、カウンセリングルーム登校は廃止すべきです!」 小沼が胸を張りそう言い切るとざわついていた体育館から小さく拍手が聞こえた。 その拍手で満足した小沼は笑顔で私の方を向いてマイク前へどうぞ、という仕草をした。 大きくため息をついて立ち上がる。 喧嘩、買わせてもらったよ。
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