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◇
心配そうにのぞきこむ目と合った。
はっと目覚めると、目の前に大きな犬 ――多分、ゴールデン・リトリバーだと思う――がいて、僕をじっと見つめていた。
僕は体が小さいから、大型犬がちょっと苦手だ。だから思わず、後ずさりしてしまい、今度はお尻が何かにぶつかって、僕は目を白黒させた。
「痛いのう!」
「うわあっ、ごめんなさい!!」
後ろから、少し怒ったような声が聞こえて、慌てて謝りながら、僕が後ろを見ると、僕よりは大きい小型の犬がいた。
声からして、おじいさんだと思うけど、見た目もおじいさんだ。白くて長い毛が、目や口元を覆っていて、もしゃもしゃしてる。白いおひげのおじいさん…サンタクロースっていうんだっけ、その人みたいと思っていたら、後ろから声がかかった。
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