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「ごめんよ。あたし、身体が大きいから、驚かせてしまったかい?」
「いえ、大丈夫で…す」
振り返って、あまり大丈夫じゃなかった事に気がついた。茶色と白の混ざったその身体はやっぱり大きい。声は、若い気がするけど、大型犬の年はよくわからない。僕よりは年上の、お姉さんなのかな?
「本当にごめんよ。あたしは、ラフっていうんだ。あんたは?」
「えーと、マメです」
「本当に、豆粒みたいな身体してんな」
ラフに向き合っていたその横から、黒い大きな犬が割り込んできた。ラフと比べると、少し小さくて、年齢もラフより下のような気がする。
目をまん丸にして、その黒い犬を見ていると、ラフが目を吊り上げて言った。
「ちょっと、あんた、いきなり失礼でしょ」
「何だよ、小型犬で、しかもまだ子供だろ」
「あんただって、大型犬のくせに、小さいじゃないのよ」
「それは、お前が大きすぎるからだよ。このデカ女!」
「何だって!この性悪チビ!」
うわぁ、けんかを始めちゃったよ!?僕が原因だし、止めなくちゃ!!
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