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そして、柵のようなものが見えた。
それを見て、部屋の全体を見て、僕は気付く。
ここは、檻の中だ。僕らは、閉じこめられている!!!
「ここは、どこなんですか!?」
僕は誰にともなく聞いた。それに、ラフが少し痛そうな顔をして、教えてくれた。
「保健所だよ。ここは、『一日目の部屋』」
「保健所!?」
「そう。私達は、処分されるんだ」
「え…?」
「こんな、小さな子を捨てるなんて、ひどい人間もいたもんだ」
「違うよ、僕は、迷子になって、それで…」
怒りの混じったラフの声に、僕は慌てて首をふった。
「そう、迷子だったの。捨てられたのかと思っていたよ」
ラフはほっとしたような表情を見せた。
「まだ処分まで、三日はある。なら、大丈夫。迎えが来るよ」
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