凍死します

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「そうか。  じゃあ、早めに戻ってこい。  堀田が居なくなって、人手が足りない」  そう言い、バサッと足許にたたんであった布団をかけてくれるが、いまいち優しさが感じられない。  でも、さっき、抱き上げてくれたとき、寄りかかっていた課長の胸は、あのときしたキスみたいに、ちょっと温かかったな、と思った。  行こうとして、雅喜は振り返り、 「少し寝るのなら、鍵をかけておけ」 と言う。 「は?」 「誰か入ってくるかもしれないだろ」 「あ、はい。  わかりました」  なんだかわからないが、頷く。
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