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「初めて課長の方から目をそらしましたね。
私、ずっと課長と目が合わせられなかったんですよ。
なんだか、冷たい人に思えて」
「話もしないのに、冷たいかどうかなんてわからないだろ」
それはそうなのだが、既にその視線だけで、充分、冷え冷えしてくるんだけど、と思っていた。
「まあいいから、具合がよくなったら、戻れ」
そう行きかけてまた戻る。
この人、結構動きが妙だよな、と思っていると、
「鍵は開けていくから、また寝るんならかけておけ」
と親のようなことを言ってくる。
いや、それだと、安田さんが来てくれても入れませんが、と思ったのだが、逆らうのも怖いので、
「はーい」
と言っておいた。
実のところ、もうそんなに痛くはなかったのだが、課長と一緒に戻るのもな、と思ったので、少しずらして、フロアに戻ることにした。
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