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自分でもよくわからないようだった。
『誰かの悪戯かと思ったんだが、俺のIDもパスワードも知るわけもないし』
「彼女にでも盗み見られたんじゃないですか?」
『なんで俺の彼女がお前との旅行を計画してくれるんだよ』
ともっともなことを言ってくる。
そして、俺の彼女、という言い方にどきりとしてしまった。
あまりにもすんなりとその言葉が出て来たので、本当に居るのかな、と思ったのだ。
まあ、あれだけの男前だし、エリートだし、居ない方がおかしいのだが。
……彼女の前では少しは優しいのだろうかな、とちょっと想像がつかず思っていると、雅喜は言った。
『だが、少し思い当たる節がある』
「え?」
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