凍死します

25/151
前へ
/684ページ
次へ
『この申し込みの日付だが、あの飲み会の日なんだよ。  それに、この場所。  お前、壁にかけてあったミュシャっぽい絵を見て、なんだかんだ言ってたろう。  この宿があるの、今、ミュシャが来てる美術館のある街なんだ』  わー……と思わず、言ってしまっていた。  後悔とともに。 「そういえば、行きたいとか言いましたね、私」 と言うと、覚えてるのか、と言ってくる。  雅喜はなにも覚えていないようだった。 「いや、うっすらとですけどね」  それで即行、その場で頼むとか、どうなんだ、私たち、と思っていた。 「私、二度と酒は呑みません」 『それはいいが、これ、この土日だぞ』
/684ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6116人が本棚に入れています
本棚に追加