凍死します

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  「沢田。  ……沢田っ!」 「は?  ああ、はいっ」 と雅喜に呼ばれていたことに気づき、立ち上がる。  雅喜はひとつ溜息をつき、ボールペンの背で、真湖の後ろを指差した。 「ああっ。  監査役っ」  人の良いおじいちゃんという印象の監査役が、何故か自分でコピーを取ろうとしている。 「私がやりますっ」 「ああ、いや、いいんだよ。  二、三枚だけだから、自分でやろうかと思って」 「いえっ。  わたくしがっ」 と言ったのだが、一枚目で、トナーがなくなってしまった。
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