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「三上さーん。
沢田さんー」
とデカイ声で島田が自分を呼んだ。
沢田って……真湖りんか? と思いながら、三上は立ち上がる。
社内に沢田はひとりではないが、今訪ねてきそうなのは、真湖だけだ。
此処、此処と後ろを振り向きながら、島田は戸の陰を指差していた。
どうやら、そこに真湖が隠れているらしい。
まあ、無理もない。
今は何処に行っても、課長の話を訊かれるだろうからな、と思いながら、入り口に行くと、真湖は本当にドアの陰に隠れていた。
それ、廊下側からは丸見えなんだけど……と思ったが、必死な真湖が可愛かったので、突っ込まなかった。
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