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島原の舞いは、動きの所作がゆっくりゆっくりとしている。
沢山の櫛や笄、ビラ簪を豊かな髪を太夫島田に結い上げた髪に挿しただけで、首がもげてしまう程の重さがあるのに加え、肩に米俵位の重さはある打掛けを纏っているだけで辛いのに、ゆっくりゆっくりと動くのだ、顔をしかめたくなる重さなのだ。
けれど、その重みを感じさせないように、優雅に
ひらり…ひらり…
と舞っていく。
「ホンマに天女やなぁ」
更級太夫は、ふうわりふうわり
舞う。
二人の男たちは、息を吸うのも吐くのも忘れて、幻想的な世界に
酔っていた。
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