【私とは正反対の彼】

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私が断ると、悲しそうな顔つきになる菱田くん。思わず罪悪感が湧き、うっとなってしまった。 『あ、あのさ、あの子たちと食べたら?松原くんも待ってるよ?』 こっちを見ている子たちに目をやり、薦めてみる。私よりオシャレで若く、可愛らしい子たちばかりだ。私と食べるよりよっぽど気分がいいだろう。 彼女たちも菱田くんと食べたくてああして誘っているわけだからお互いに理がある。 だけど、菱田くんは首を振った。 「違います、俺は笹野さんと食べたいから誘ったんです。貴女じゃないと意味ありません。」 『なっ....!?な、な、何言って.....』 そんな“人生で言われてみたい言葉ランキング”に入りそうな言葉を言われてうろたえてしまった。 恋愛経験値が0に近い私、耐性のないその発言はキツかった。 「いつも早めに食事に行かれてしまうから、誘えなかったんです。今日はまだいたからチャンスだと思ったんですけど....ハハハ、ごめんなさい。」 しかも、恥ずかしげもなくサラリとそんな台詞をいい退けてしまうこの人のメンタルも凄い。 (駄目だ......これ以上一緒にいたら爆発しそう。) 『こっちこそ、ごめんなさい?あの、人を待たせてるの、もう行くね!!』     
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