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「……っ、いたい……」
目を覚ますと、全身に激痛が走った。
昨日、あの男達に蹴られたからだろう。
「あ、起きた? 怪我、大丈夫? やっぱり少しは痛むか……」
「えっ……」
視線をベッドの横に向けると、其処には昨日の少年が。
よくよく見れば、俺が担任している組の大人しそうな男の子だった。
でも、何故その子が此処に?
というか、此処は、何処だ…?
「あ、僕の名前は分かりますよね? まぁ、一応言っておくと、柊木咲翔だよ」
「そ、れは、知って……」
「んー……此処はどこ、って感じだね」
周りを見渡すと、其処は俺の部屋ではなくて。
昨日あのまま意識を失って、どうやら此処に連れて来られたようだった。
「此処は、僕の家。 これから先生と一緒に住むところだよ」
綺麗な笑顔でそう言われ、思考が停止する。
俺と、一緒に…?
住むって、この家に?
教え子と、一緒にか…?
冗談だろ、一緒にだなんて…
「信じてないね。 まぁ、それもそうだろうけど。
因みに、先生も僕も親は無し。 だから許可も何も要らない、ってとこかな」
「なに、言って……」
「言っとくけど、先生に拒否権は無いからね?」
そんなの、無理に決まってるだろ…!
こんな所に居られるか!
「……抜け出すのは勝手だけど、今の自分の姿、誰かに見せれるかなぁ?」
柊木の言葉に、頭がついて行かない。
俺の今の格好なんて、スーツじゃ……
そう思って、近くにあった姿見の前に立って自分の姿を見る。
其処に映っていたのは、右足を長い鎖で繋がれ、首にはペット用の首輪。
そして、何より服を着ていなかったのだ。
「なん、だよ……これっ……!」
「あれ、先生って理解力ない? だから言ってるデショ、先生は僕が買ったの」
「かはっ……」
そう言って、首輪に繋がれているリードを引っ張った柊木。
突然のことに驚いたが、それよりも首輪が締まって息ができない。
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