第一話

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「……っ、いたい……」 目を覚ますと、全身に激痛が走った。 昨日、あの男達に蹴られたからだろう。 「あ、起きた? 怪我、大丈夫? やっぱり少しは痛むか……」 「えっ……」 視線をベッドの横に向けると、其処には昨日の少年が。 よくよく見れば、俺が担任している組の大人しそうな男の子だった。 でも、何故その子が此処に? というか、此処は、何処だ…? 「あ、僕の名前は分かりますよね? まぁ、一応言っておくと、柊木咲翔だよ」 「そ、れは、知って……」 「んー……此処はどこ、って感じだね」 周りを見渡すと、其処は俺の部屋ではなくて。 昨日あのまま意識を失って、どうやら此処に連れて来られたようだった。 「此処は、僕の家。 これから先生と一緒に住むところだよ」 綺麗な笑顔でそう言われ、思考が停止する。 俺と、一緒に…? 住むって、この家に? 教え子と、一緒にか…? 冗談だろ、一緒にだなんて… 「信じてないね。 まぁ、それもそうだろうけど。 因みに、先生も僕も親は無し。 だから許可も何も要らない、ってとこかな」 「なに、言って……」 「言っとくけど、先生に拒否権は無いからね?」 そんなの、無理に決まってるだろ…! こんな所に居られるか! 「……抜け出すのは勝手だけど、今の自分の姿、誰かに見せれるかなぁ?」 柊木の言葉に、頭がついて行かない。 俺の今の格好なんて、スーツじゃ…… そう思って、近くにあった姿見の前に立って自分の姿を見る。 其処に映っていたのは、右足を長い鎖で繋がれ、首にはペット用の首輪。 そして、何より服を着ていなかったのだ。 「なん、だよ……これっ……!」 「あれ、先生って理解力ない? だから言ってるデショ、先生は僕が買ったの」 「かはっ……」 そう言って、首輪に繋がれているリードを引っ張った柊木。 突然のことに驚いたが、それよりも首輪が締まって息ができない。
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