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「ね? 逃げられないことが、分かったデショ?」
「が、がっこう……」
「今日は祝日だから気にしなくていいんだよ」
何とか、此処から出られないのか、そう思って色々と言い訳を並べてみたが、見事に全て避けられた。
もう、無理なのか…
そう思っていた時だった。
玄関のチャイムが鳴り、外で柊木の名前を呼ぶ声が。
もしかしたら、助けを求められるかも知れない。
そう思ったが、玄関までは行けるものの、扉までは届かない。
「逃げようとしても無駄。 先生、そろそろ諦めたら? そんな格好じゃ、恥ずかしいよね?」
「ぁ……うぅ……っ…」
「ん、良い子だね、先生」
その場に座り込むと、俺の頭を撫でて玄関の扉に手をかけた柊木。
今扉を開けられたら、俺のこの姿を見られてしまう。
それは、嫌だ…
「駄目、先生。 stay、デショ?」
「っ…!」
「そう、いい子いい子」
リードを引っ張られ、部屋に戻ることを許されなくなった俺は、できるだけ体を丸め、自分のモノを見られないように、必死に守った。
「望海、何しにきたの?」
「様子を見に来た。 お前のお気に入りが、大丈夫な奴かどうか」
「ん? 昨日見たデショ? 今日も見るの?」
「いや、昨日は暗くてよく見えなかった」
「ふぅん……まぁいいケド、先生、恥ずかしがり屋さんだから、気をつけてね?」
そんな会話が聞こえたかと思うと、中に誰かが入ってきた。
そして、丸くなっている俺の前で、止まった。
恐る恐る顔を上げると、よく柊木と学校で仲良くしている紺野望海が居た。
「ぁ…ぁ……!」
「ねぇ、先生、恥ずかしい? 教え子にこんなみっともない姿見られて」
「ゃめ……ぃやだ……」
「……これがあの、神門先生なのか? 随分と調教されたもんだな」
「まだ、心は開いてもらってないみたいだけどね?」
「まぁ、見れたから良い。 帰る」
「あぁ、そう、じゃあまた明日ね」
そんな会話をしたあと、紺野は家から出て行き、俺はベッドへ逆戻り。
もう、逃げる気力もなくなってしまった。
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