高層ビル群にかかる虹のアーチ

お菓子会社ボンボンはクリスマス前の繁忙期を迎えて忙しかった。全国に数百店舗を置くこの会社の総本部は愛知県の中心街にある高層ビルの二十四階にある。

その日は朝早くに軽い雨が降り、寒い朝だった。昼頃には快晴となった。

会社の誰もが机に向かって一生懸命に仕事をしていた。

お昼前だろうか、誰かが叫んだ。

「虹が見える」

高層ビル群の一角に虹が突如現れたのだ。

誰かが「これはいいクリスマスプレゼントじゃないか」と言い出した。

部長が気を利かして新作のケーキを会社の冷凍庫からだし、「あつあつコーヒーを」といったのでみんがそれを食した。

もうひと踏ん張りだな」と部長が言った。

それにしてもいいクリスマスプレゼントだなと皆が思った。