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「ナツ?」
「そうだけど」
「あの、あさっての日曜日、大丈夫?」
「ああ」
不機嫌丸出しだと思う。
俺はそういうのがやたらと態度に出やすいらしいから。
「どこに行こうか? 行きたいとこ、ある?」
「ない。菜々子さんの好きなとこでいいよ」
「えっと……」
俺の不機嫌に戸惑ってるのか、しばらく黙って考え込んでた彼女だけど、俺を気遣うような明るい声で言った。
「ピクニックにしようか?」
「は?」
「もう桜、終わっちゃったけどさ、大きい公園に行って、遊ぼうよ」
もう何だっていいよ。
俺は脳内に居座る昼間の男の陰影と戦ってた。
「いいよ。菜々子さんちの前に、んじゃ十時でいい?」
「うん!!」
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