Citrus age  一ノ瀬夏哉目線③

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「ナツ?」 「そうだけど」 「あの、あさっての日曜日、大丈夫?」 「ああ」 不機嫌丸出しだと思う。 俺はそういうのがやたらと態度に出やすいらしいから。 「どこに行こうか? 行きたいとこ、ある?」 「ない。菜々子さんの好きなとこでいいよ」 「えっと……」 俺の不機嫌に戸惑ってるのか、しばらく黙って考え込んでた彼女だけど、俺を気遣うような明るい声で言った。 「ピクニックにしようか?」 「は?」 「もう桜、終わっちゃったけどさ、大きい公園に行って、遊ぼうよ」 もう何だっていいよ。 俺は脳内に居座る昼間の男の陰影と戦ってた。 「いいよ。菜々子さんちの前に、んじゃ十時でいい?」 「うん!!」
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