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「ごめんナツ、わたし、寝ちゃった？ ここ」
どこ？ と言おうとしたらしい菜々子さんの顔が疑問符で埋まる。
「ナツ、ここどこ？」
「こないだの空き時間、ほら、ドイツ語やってもらったとき」
「え？」
「時間ないって言って、走って空き教室から出たよな？」
「え？ ああ、うん」
「なのになんで中庭で男と悠長に話なんかしてたんだよ？」
「………」
「ってか誰だよあいつ。頭なでられたりしてやたら仲良さげだったじゃんか」
「………」
ハンドルに片腕を乗せて、俺は菜々子さんを睨んだ。
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