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「ナツ、あの教室でさ、最後にわたしのこと呼んだとき、すごく低い声で……なんか言いにくいこと言うときみたいな……。やっぱ断ろうとしてるのかなって思ったの。だから断られる前に、教室出ちゃえって……」
俺はあの日のことを思い出そうとした。
「……あー……」
低い声……あれか。あの時俺が考えていたのは……。
「別に断ろうとかしてなくて」
そっか菜々子さんこのデート断られたくなかったのか。
俺とデートしたかったのか。
「そっかそっか。なんだ。別に断ろうとか、そういうんじゃねぇよ」
俺とそんなにデートしたいってことはあいつはホントにただの幼なじみだな。納得。
「お、もう昼飯時じゃん? 何食う? 中華街とか行く? それよか、あ、あれだなーイタリアンで美味い店あったんだよなー。そこにすっかな? 菜々子さんイタリアン好き?」
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