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ピピピ…と、電子音が終わりを告げる。
「何度だった?」
知己はシャワーを済ませ、浴室から出てくると将之に聞いた。
「36度6分。平熱まで、落ちてます」
「そうか、良かったな」
「先輩に会えなかった為に出た知恵熱でしょうか」
「そんなんで、熱、出ねーよ」
将之の特徴ある口調にも随分と慣れて、知己は頭を拭きながら返事をする。
「なんだよ、コレ。こんな着替えしかないの?」
そして、用意された着替えに文句を言った。
「文句があるなら、裸で寝てくれても構いませんが?」
知己のトゲのある言い方に、将之もさすがに言い返す。
「……ちっ」
渋々、将之が用意したパジャマに袖を通してみたが
「あー……、やっぱり、だぼだぼだ……」
ストライプ柄の大きめシャツのパジャマ。
将之でさえ、ゆとりある作りの大きめのそれは、将之より身長が10㎝ほど低い知己には大き過ぎた。
「……」
凝視する将之に
「なんだよ」
と、不機嫌に知己が問う。
「いえ、少し『萌え袖』というのが分かりました」
「はあ?」
「いわゆる『だぼシャツ、萌え』という属性でしょうか?」
「俺に聞くな」
(また、妙な本で知識を付けやがったな……)
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