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「年が明けて、一番最初に会えたのが先輩で嬉しいですよ」
(どんだけ……)
臆面もなくそんな事を言う将之に、知己が恥ずかしさを覚える。
そんな知己に、不意に将之は顔を寄せ、キスをした。
「好きアリです、先輩」
(なんか意味合いが違うような……)
知己が戸惑っていると、承諾と取ったのか、将之が大胆に知己のボタンを外し始めた。
「お、おい! 約束が違うぞ!」
思いっきり油断していた知己は焦る。
「約束って?」
「『今日は何もしない』って言ってただろう?」
「ああ。それですか」
将之は思い出して、言う。
「だって、もう今は『今日』じゃないですから」
「はあ?」
意味が分からない。
「約束の『今日』はさっき、除夜の鐘と共に終わりました。今からは、新年。1月1日です。もう『今日』ではありません」
「おまっ……! どこの小学生の理屈だ!?」
とツッコむ間にも、将之がどんどんボタンを外していく。
その上、将之が外して露わになっていく知己のそこかしこにキスの雨を降らせる為、いよいよ知己の余裕はなくなっていく。
「ちょっ。ちょっと待て! 待てってば、おい! 待っ…! い、犬でも『待て』ができるぞ!
……あ……っ!」
問答無用に知己の首筋から鎖骨、上半身に隈無くキスが下りていく。
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