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だが、きっとさっきよりもましな顔をしているに違いない。
その証拠に知己の腰を掴む将之の力が少しだけ緩んだ。
「あ……?」
不意に将之は知己の左足を掴むと、そのまま持ち上げた。
転ばないように知己は必死でバスタブの縁を掴み、右足だけでバランスを取る。
「お前……っ、いきなり、何を!?」
片足立ちでふらつきそうになるが、将之は左足を抱えたまま。
そのまま知己の脚を自分の肩に乗せた。
知己は辛うじて上半身を支えるものの、下半身は捻るようにして依然将之に身を任せるしかない。
「情状酌量です」
「はぁ?」
将之は、知己の片足を担ぎ脚を大きく開かせた状態で、ずっぷりと自らのものを押し込んだ。
「い……っ!」
こんな角度だというのに、構わず将之は腰を進めた。
「う……あ、ばか! やめろ……っ!」
やめろと言って、将之のやめたケースは1度もない。
今回も然り。
「僕の顔が見えずに、寂しいのは嫌なんでしょ?」
「ちょ、待っ……!
「でも先輩にも多少なりとも言い分はありそうだし……。かといって、今はまだ、まるっと許す気にはならないし」
「……ぁ、やめ……!」
「だから、これが僕の妥協案です」
「……あ……、ああーっ!」
つまり、知己の嫌いな後背位は終わり。
だが、まだ許せない。
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