第8話 教育実習生

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 だが、きっとさっきよりもましな顔をしているに違いない。  その証拠に知己の腰を掴む将之の力が少しだけ緩んだ。 「あ……?」  不意に将之は知己の左足を掴むと、そのまま持ち上げた。  転ばないように知己は必死でバスタブの縁を掴み、右足だけでバランスを取る。 「お前……っ、いきなり、何を!?」  片足立ちでふらつきそうになるが、将之は左足を抱えたまま。  そのまま知己の脚を自分の肩に乗せた。  知己は辛うじて上半身を支えるものの、下半身は捻るようにして依然将之に身を任せるしかない。 「情状酌量です」 「はぁ?」  将之は、知己の片足を担ぎ脚を大きく開かせた状態で、ずっぷりと自らのものを押し込んだ。 「い……っ!」  こんな角度だというのに、構わず将之は腰を進めた。 「う……あ、ばか! やめろ……っ!」  やめろと言って、将之のやめたケースは1度もない。  今回も然り。 「僕の顔が見えずに、寂しいのは嫌なんでしょ?」 「ちょ、待っ……! 「でも先輩にも多少なりとも言い分はありそうだし……。かといって、今はまだ、まるっと許す気にはならないし」 「……ぁ、やめ……!」 「だから、これが僕の妥協案です」 「……あ……、ああーっ!」  つまり、知己の嫌いな後背位は終わり。  だが、まだ許せない。     
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