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だから、知己の願う対面での行為はない。
結論、半身ひねったこの側身からの挿入が、将之の出した妥協案だった。
「さっきより、いくらか僕が見えるでしょ?」
「ふ、ふざけんなっ……!」
未経験の角度からの抜き差しに、支える知己の右足ががくがくと震える。
だが、倒れることは将之が許さない。
左脚を肩に担ぎ上げ、腰を支え、そして中心を穿ち、倒れそうになる知己の体を支えている。
倒れるのを恐れ、知己は無自覚に繋がった中心に力を込めた。
(このやろう。誰が、お前の顔なんか見たいわけが……!)
散々な扱いに知己はそう思うものの、言葉にはならなかった。
どうしても締め付けてしまう中心から、その奥から、わき上がる感覚に翻弄されるばかりだった。
「う……あ、あぁっ! あー……っ!」
程なく降り注ぐシャワーのつぶてに、知己の飛沫も混じった。
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