第8話 教育実習生

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 新たなる疑問が浮かび、知己が尋ねた。 「たまたまです」 「……はあ」 「近隣の学校の視察帰りに東陽の近くを通ったので、駐車場を覗いて見たんですよ。すると先輩の可愛い国産軽(車)が止まってたから、まだ残って居るんだなって思って、それで理科室の方に行ってみました」 (車の事は、皮肉かなんかか?)  と少し思ったが、おそらく (ベンツ以外の車は、眼中にないんだろうな)  と、思う。 「まさか、そこで先輩があんな事されているとは思わなかったものですから、もの凄く驚きました。驚いて……でも、驚きすぎて感情的になれなかった」  将之が、また真剣な顔つきになって言う。 「感情に……怒りに任せてしまったら、自分を抑え切れそうになくって……。あれでも必死に爆発しそうな感情を殺して、できるだけ理論的に話をしようと……」  将之が思い詰めた表情になった。 (……なんか、また妙な雲行きだな)  そう思っていたら、やはり知己の心配通りに 「これからは、もっと頻繁に先輩の所に通いますね」  と、将之が言い放った。     
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