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「大人だって、間違えてたら謝るさ」
知己が心外だとでも言いかねない風に言う。
「いや、俺の知っている大人は……特に教師は謝らない」
門脇が憎々しげに言い切った。
(あ、こいつ……。大人……というか、教師に妙な偏見持っていやがるみたいだ)
門脇の様子に、知己はそうと気付いた。
「教師だって、悪かったら謝る」
「いや、謝らねえ。難癖付けて、謝らないで終わりにする」
「はあ? そんな事、しねえよ」
「例えば髪の事だって……あんたら先生は『普段の行動が悪いから、地毛でも染めているように見える』って言って謝らない」
(……まあ、そういう事もあるかもしれないけど、それは極端な話だよな)
とは思いつつも、知己は門脇の話をそのまま聞き続けた。
「じゃ、黒く髪染めたらいいのか? 髪、染めるのは悪いことなんだろう? 大人って……特に教師って矛盾している」
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