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門脇は収まらない鬱憤を吐き出すように、そしてやはりどこか大人や教師を信用しきれないといった様子で語り続けた。
「しかも、成績さえ良ければ、多少のことは目を瞑るし……」
「そんな事はない。悪い事は悪いって話すよ」
「いいや。そうだよ。だって、俺が退学処分に遇わない理由は、俺の成績がいいからだよ」
「……はあ。そうなのか?」
意外な門脇の言葉に驚く。
「成績いいって……どのくらい?」
門脇の素行に全く成績の事が絡むとは思えずに、知己が尋ねた。
「偏差値で言ったら、84」
「84ーーーー!?」
「学年ではトップだし、全国模試でも20位内にいつも入っている」
(……凄え。確実に俺より頭いいな、こいつ……)
知己は言葉を失うが、この捻くれた16歳に言い負かされるのも悔しい。
そんな理屈じゃ割り切れない人生の経験値を知らせたい。
知己がそう考えつつもなんと言えばいいのか考えあぐねていたら、門脇がその沈黙を破って更に攻撃を仕掛けてきた。
「大体下らないよな」
「何が?」
「成績で人間を評価するっていうの。成績自体、一体何だって言うんだよ」
「何だって……なんだよ」
禅問答まがいになってきた。
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