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「ええ。夜を含めてデートだと言ったつもりです。でも先輩はその気ないようなので、ラウンジのカクテルにちょっと盛らせていただきました」
さらりととんでもない事を言う。
「……最っ低、だな……」
少しでも将之が「話せる奴」だと思った自分がバカだった。
そうだった。
こいつは、自分の欲望の為には脅しもかける。
妙な薬も使うと、なぜ考えなかったのだろう。
手際よく知己の服をゆるめていく将之に、せめてもの抵抗と、知己は力の入らない腕をぶんぶんと振り回した。
すると、将之の腕時計にぶつけてしまったのか、知己の右手の甲が小さく裂け、血が滲んだ。
「先輩、大丈夫ですか?」
慌てて将之は腕時計を外し、知己の脱がせた上着のポケットに入れた。
そして、また知己が暴れて怪我しないよう、抜き取ったネクタイで知己の両腕を頭の上で一つにまとめ、縛り上げた。
それをベッドに固定する。
腕を拘束し、抵抗できないのを確信すると、Yシャツのボタンも外し始めた。
「この……やめろっ!」
制しても、知己は言うのがやっとで、体の自由は未だきかない。
将之のなされるがままに服をくつろがされていった。
「今日のめあて……言ったでしょう? 『先輩のいいところ探し』だって。先輩の感じる『イイ所』はどこかな?」
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