第2話 いい所探し

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「ええ。夜を含めてデートだと言ったつもりです。でも先輩はその気ないようなので、ラウンジのカクテルにちょっと盛らせていただきました」  さらりととんでもない事を言う。 「……最っ低、だな……」  少しでも将之が「話せる奴」だと思った自分がバカだった。  そうだった。  こいつは、自分の欲望の為には脅しもかける。  妙な薬も使うと、なぜ考えなかったのだろう。  手際よく知己の服をゆるめていく将之に、せめてもの抵抗と、知己は力の入らない腕をぶんぶんと振り回した。  すると、将之の腕時計にぶつけてしまったのか、知己の右手の甲が小さく裂け、血が滲んだ。 「先輩、大丈夫ですか?」  慌てて将之は腕時計を外し、知己の脱がせた上着のポケットに入れた。  そして、また知己が暴れて怪我しないよう、抜き取ったネクタイで知己の両腕を頭の上で一つにまとめ、縛り上げた。  それをベッドに固定する。  腕を拘束し、抵抗できないのを確信すると、Yシャツのボタンも外し始めた。 「この……やめろっ!」  制しても、知己は言うのがやっとで、体の自由は未だきかない。  将之のなされるがままに服をくつろがされていった。 「今日のめあて……言ったでしょう? 『先輩のいいところ探し』だって。先輩の感じる『イイ所』はどこかな?」     
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