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と言って、慌ただしく先に部屋に入り、家永の鼻先でドアを閉めた。
「……変なやつ」
ぽつんと廊下に残されて、家永が呟いた。
(窮屈なスーツのまんま居られるかよ。かといって家永の前でシャツも脱げないし。こんな痕まで残ってたんじゃ……)
耳たぶの少し下に、首筋に赤い昨夜の陵辱の痕。
シャツを広げれば、知己の身体にもっと多く見つけることができる。
「家永に……、親友に……見せられねぇ」
そう言って一人、部屋で着替えながら知己はため息を漏らした。
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