第3話 親友

8/21
前へ
/340ページ
次へ
 と言って、慌ただしく先に部屋に入り、家永の鼻先でドアを閉めた。 「……変なやつ」  ぽつんと廊下に残されて、家永が呟いた。 (窮屈なスーツのまんま居られるかよ。かといって家永の前でシャツも脱げないし。こんな痕まで残ってたんじゃ……)  耳たぶの少し下に、首筋に赤い昨夜の陵辱の痕。  シャツを広げれば、知己の身体にもっと多く見つけることができる。 「家永に……、親友に……見せられねぇ」  そう言って一人、部屋で着替えながら知己はため息を漏らした。
/340ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1300人が本棚に入れています
本棚に追加